今回はTOEIC600点を目指しているあなたに、TOEIC600点のレベルについて解説していきます。
TOEIC600点は簡単そうで意外と取ることが大変なスコアです。
その理由は、TOEICの平均スコアが580点前後でいつも推移しているということ。
また、人数の分布でみてみると、
- 600点以上の人:65,081人
- 600点以下の人:75,866人
※2019年1月の公式データより
というデータが出ているように、600点以下の人数のほうが多いのが現状。
このように、TOEIC600点は平均点よりも上で、さらに600点以下のほうが人数の比率が多いという、軽く勉強したくらいではなかなか取れないスコアなんです。
でも安心してください。
TOEICは、勉強を続けていけば必ずスコアアップできるテスト。
諦めずに続けていくことが大切なんです。
勉強を続けるためには、モチベーションが必要ですが、「会社で必要」という理由だけだと勉強が辛くなってしまいますよね。
そこで、TOEIC600点を取ったらどんな風景が見えるのか、どんな世界になるのかを知っておくことをオススメします。
そこで今回は、私の実体験を踏まえつつ、TOEIC600点のレベルについてご紹介していきます。
もくじ
TOEIC600点はどのくらいのレベルなのか
TOEIC600点は、英語の基礎ができているレベルだと言われていますが、具体的にどの程度のレベルでしょうか。
自分の経験などから、以下のように考えています。
TOEIC600点のレベル
- 履歴書に書ける最低限のスコア
- 短いメールや会話(簡単な応答)ができる
- 海外に一人で旅行してもさほど困らない
根拠は様々ですが、ひとつには、多くの企業が「TOEIC600点を超えていれば戦力がある」とみなしているところにあります。
その証拠として、TOEICが公式に出している資料の「上場企業における英語活用実態調査 2013年報告書」で確認してみましょう。
企業が全社員に求める期待スコアは600点
少し古いデータですが、TOEICの協会が行なった2013年の調査では、75%の企業が業務で英語を使用しているという結果が出ています。
これは「商取引を、国内だけで成立する企業が少なくなっている」ということが見て取れます。

その通りで、今後もますますこの傾向になるでしょう。
というか、2013年から5年が過ぎていますが、実際に進みまくってますね。
データに戻りますが、企業が全社員に求めるTOEICスコアは、
「500〜595点」(24.7%)
「600〜695点」(20.9%)
となっていて、500点から700点のスコアを、約半分(45.8%)が占めています。
このデータから、500と700の平均点である600点が算出され、企業が社員に求めるスコアが600点であると言われています。
採用時に参考にされるTOEICスコア
では次に、就職に必要なTOEICスコアについて確認していきます。
これから就職、または転職をしようかなと考えている人にとって、TOEICのスコアがどれだけ採用に影響するのかとても気になりますよね。
データによると、採用時に提出されたTOEICのスコア(いわゆる履歴書に書いてあるスコア)を参考にすると答えた企業は、全体の7割を超えています。
そして、以下の表は、企業が採用する人に期待するスコアです。
企業が採用時に期待するTOEICスコア | ||
2011年 | 2013年 | |
新入社員 | 550点 | 565点 |
中途採用 | 600点 | 710点 |
このデータの点数の平均が625点なので、採用応募時参考スコアとして、600点以上から履歴書に書けると言われています。
ちなみに、私が働いていた外資系の企業では、海外とのやりとりが必要な技術系の部署に入る場合、TOEIC730点以上が必須でした。
また、国内のお客様を相手にする営業部門はTOEIC600点を基準にしていました。
この営業部門ですが、海外で作られた商品を日本で売る会社だったので、お客様は日本人だけ。
しかし、本社とのやりとりが多少メールでする必要があったので、最低限の英語が必要でした。
そのため、基礎のスコアだと言われている600点が基準となっていたんです。
このように、TOEIC600点は、英語の基礎ができていると判断されるスコアと認識されているのがわかります。
社会人として必要な最低限のスコアはTOEIC600点
会社が必要としているスコアデータや、採用時のスコアをみてきました。
データが2013年なので古い感はありますが、企業が求めているスコアはTOEIC600点が最低限であることは、今も変わらないし、むしろ今後ますます上がっていくと思われます。
よって、まだTOEICの勉強を始めていない方は、早速検討していくことをオススメします。
また、今はまだ会社にスコアを求められていない方は、これからのグローバル社会において、必要になる時がくるかもしれません。
例えば、友人の会社では昇進試験を受けるにあたり、TOEIC600点以上のスコアが必要になったと言っていました。
また、別の友人は、今はまだ推奨の段階ですが、TOEIC600点を取るプログラムを提供するとの通達があったとのことです。
このように、企業が社員に英語力を求める時代になっています。
よって、TOEIC600点は、これから社会人として生きていく上で最低限必要なスコアだといえます。
「まだ自分には関係ないや」
って思っているとあとで苦しむことになりますので、今から勉強を始めることをオススメします。
関連記事:TOEIC600点の壁を超えるにはどうしたらいいの?やるべきことを具体的に解説
TOEIC600点は低いスコアなのか
TOEICの満点は990点です。
ですから、600点と聞くと低いスコアだと感じる方もいると思います。

現在の平均点は580点です。よって、600点は平均以上のスコアなのです。
以下の表は、第225回(2017年11月)から第229回(2018年4月)まで、5回分の試験の平均点です。
TOEICスコア平均点 | |||
実施日 | 平均点 | 合計平均点 | |
237回 | 2019年1月 | 578.4点 | 583.74点 |
236回 | 2018年12月 | 582.8点 | |
235回 | 2018年11月 | 586.5点 | |
234回 | 2018年10月 | 599.5点 | |
233回 | 2018年9月 | 571.5点 |
このように、平均点は580点程度となっています。
よって、600点は平均点以上となり、まず最初にクリアしたい目標点です。
次のグラフは、2018年4月第229回のスコア分布図です。
このように、545点〜594点を取得した受験者の層が一番多くなっています。
よって、600点というスコアは、この中間層を突破した自信を持ってよいレベルなんです。
TOEICが公式に出しているデータ区分
次に、TOEICスコアに対する英語のレベルについてみていきます。
「プロフィシェンシースケール」という、TOEIC運営側が出している区分があります。
このデータは5段階にわかれていて、スコアと自分の英語レベルを確認することができます。
スタディサプリTOEIC対策コース料金一覧 | ||
レベル | TOEICスコア | 評価(ガイドライン) |
A | 860-990 | Non-Nativeとして十分なコミュニケーションができる |
B | 730-859 | どんな状況で適切なコミュニケーションができる素地を備えている |
C | 470-729 | 日常生活のニーズを充足し、限定された範囲内では業務上のコミュニケーションができる |
D | 220-469 | 通常会話で最低限のコミュニケーションができる |
E | 0-219 | コミュニケーションができるまでに至っていない |
以上の相関表から、600点のスコアはレベルCになります。
レベルCを、さらに詳しくみてみると、
「通常会話であれば問題なく、応答も可能。複雑な場面になると多少困難になる。基本的な文法や構文は身についているので、自分の意思を伝えることはできる」
となっています。
管理人は現在660点ですが、実際の感覚は、
「通常の会話であればある程度問題なく、応答もだいたい可能。複雑な場面になると少しとても困難になる。基本的な文法や構文はまあまあ身についているので、自分の意思を伝えることはある程度できる」
こんな感じですね。
730点近くになれば、赤線で追加した文字が消えると思います。
よって、まず平均点の600点を目指して勉強を続けて、取得したら730点という、Cレベルの卒業を目指すのが受験者の目指すルートになります。
私の個人的なスコア目安
以上、公式なデータを確認してきました。
しかし、実際に英語が出来る感覚とスコアとが合っているのか気になりますよね。
そこで、中学1年で英語を挫折した短大卒の低学歴女の私が、実際に感じたスコアの目安を書きたいと思います。
200点時代(TOEIC BRIDGE時代)
初に受けたTOEICの試験はTOEIC Bridge。
- 勉強方法:英会話教室に週2回通う。1時間は日本人講師の文法講座を受け、1時間はネイティブと英会話。
- 海外旅行:ツアーに参加して、なるべく英語が必要ない状態を作る。レストランやお店など、話さなければならない状況ではドキドキ緊張しっぱなし。
- 試験:英検3級を受けたが面接で落ちてショックを受ける、というかビックリする。TOEICはほとんど勘で塗りつぶしていた状態。
- 感覚:何が何だかわからない感じ。自分には、永久に英語を理解する時は来ないだろうと思っていた。
355点時代
(リスニング275点・リーディング80点)
- 勉強方法:英会話教室に週1回通う。家で音読中心にトレーニング。
- 海外旅行:音読のおかげか、少し聞き取れるような気がする(気のせいレベル)
- 試験:音読の成果だったのか、リスニングは少しできたような気がしたが、とにかくリーディングが全くできず、Part7が3問くらいしか解けなくて自分にびっくりする。
- 感覚:リスニングは少しだけ進歩した感覚があったが、リーディングは全部と言っていいほど勘で塗りつぶした。
355点→470点時代
(リスニング315点・リーディング155点)
- 勉強方法:週1回早朝英会話教室に通い、ディクテーションを中心に勉強する(先生が話したことを録音して、全部書き出して提出)。
また、子供向けの本で音読も行い、聞き取りが楽になった感じ。しかし他の単語・文法・リーディングはあまり勉強しなかった。 - 海外旅行:海外旅行にひとりで行くようになる。限られたコミュニケーションは取れる。
会話は、質問はできるけど、その質問に対する答えがほとんどわからないので、会話が一方通行で終わってしまう。 - 試験:470点の内訳をみると、リスニングで稼いだことがわかる。
単語と文法が全くできないのは自覚しているので、リーディングの時間がとてもつらい。
Part7の長文は、もちろん半分くらい塗り絵。
とにかく読むことが遅い。 - 感覚:聞き取りには自信がついてきた感じ。
海外でも、相手が何を言っているのかおよそわかる。
もしかしたら、勉強を続ければ、こんな私にでも英語ができるようになるかもしれないと思い始める。
470点→600点時代:
(リスニング350点・リーディング250点)
- 勉強方法:スタディサプリTOEIC対策コースを始める。
毎日1時間は必ずアプリを開いていて勉強することを習慣にする。
特に、Part3,4のリスニング、音読、シャドーイングを中心にトレーニングをする。 - 海外旅行:480点時代は、ひとりでの海外旅行も多少の緊張があったが、600点近くなってからは緊張が全くなくなった。
なんとか意思疎通はできるという自信が出てきたし、実際大丈夫だった。 - 試験:音読の成果がリーディングに出てきていて、読むことに少し抵抗がなくなってきた。
とはいっても、PART7はまだ塗り絵が2列くらいあり。
新形式になってからは、リスニングが難しくなったことを実感した。
特にPart3と4は、集中力が足りず、最初を聞き逃して何を言っているのかさっぱりわからなくなることが多い。 - 感覚:TOEICの問題に取り組むことに抵抗が無くなってきた(前は難しくて読むことがつらかった)。
いつも流していた英文も、精読をして理解をしながら読むようになった。
足りないのは文法と単語。特にPart5が苦手すぎ。
以上、それぞれのスコアで感じた感覚を書いてみました。
このように、300点台では英語を見ても苦痛でしかなかった状態が、600点まで上がると景色が違って見えました。
これから勉強を続けて、730点を越えるようになったら、どんな景色が見えるのか、楽しみです。
ですから、今はまだ300点から400点くらいの方も、ぜひ勉強を続けてください。
続ければ、必ず英語に対する苦手意識も激減するし、階段をポーンと上がった感覚を味わえますよ。
まとめ
以上、TOEIC600点のレベルについて確認してきました。
そして、私のお恥ずかしいスコア経歴からおわかりいただけたと思いますが、学生時代も全く勉強をしなかった人でも続けていけば必ず進歩できるのがTOEICです。
そして、初心者の方の最初に目指してほしいスコアは、やはり600点。
私も、600点までは大変でしたが、今では勉強も楽しくなってきています。
なぜなら、TOEIC600点が取れるレベルになると英語を聞く力や読む力が依然と比べてついてきているのがわかり、勉強がスムーズになるからです。
ですから、600点を超えれば必ず楽になると考えて、諦めずに勉強を続けていきましょう。
600点を取ることを諦めてしまった方や、これから目指す方にはぜひ勉強を続けて欲しいと思います。
そして、600点を目指している方にオススメな教材は、スタディサプリTOEICのアプリです。
私はこのアプリのおかげで嫌いな勉強を続けることができました。
今は便利なアイテムがたくさんありますね。
ぜひ、上手に使いこなしてスコアをアップさせていきましょう。